12の県で若手産科医不足、緊急に対策が必要
2014年12月14日
茨城県や福島県などの12の県で若手産婦人科の医師が特に少なく、将来の医師不足に繋がる恐れがあるとして、日本産婦人科医師会と日本産科婦人科学会は緊急に抜本的対策を取るように求める緊急提言を13日発表しました。
提言では、2013年度までの6年間に新たに産婦人科医になった医師と人口を比較して、特に若手の医師が少ない事を指摘。 また、危険性の高い出産にも対応できる総合周産期母子医療センターなどを統合して大規模化し、統合センター1施設あたり20人以上の医師を常勤させる事などを要請しています。
当直回数が多く成り手が不足している産科医は、都道府県間で比較して産科医の数が最大で2倍程度の格差が生じている事も今回の大規模調査で分かりました。
特に福島、千葉などの9県では、35歳未満の若手医師の割合も低く、将来的な見通しすら立たない危機的状況にあると報告されています。
中でも福島は、東日本大震災や原発事故も影響しており、産科医が人口10万人あたり5人(全国平均7.6人)と2番目に少なく、平均年齢は51.5歳(全国平均46歳)と最も高齢で深刻さが際立ちました。
産婦人科の24時間体制の医療を維持する事と、医師の勤務環境の改善や医師を現状よりも増員して、産科医の離職を防ぐ対策を急ぐ必要があると提言しています。
若手産婦人科医が特に少ない12県は、岩手県、埼玉県、新潟県、岐阜県、和歌山県、山口県、香川県、愛媛県、熊本県、大分県の各県となっています。
人口10万人あたりの産科医数は、茨城県が4.8人で最も少なく、最も多い東京と沖縄の11.1人と比較して倍以上の開きがありました。