針無し注射器の開発に芝浦工大が成功
2014年12月09日
芝浦工業大学・機械工学科の山西陽子准教授が、「針無し注射器」の開発に成功したと同大学は12月2日発表しました。
従来開発されてきた針無し注射器は、バネの力を使って液体を高圧で発射する為、皮膚を貫き薬剤を投与する際に神経を傷つける恐れや、多少の痛みを感じるなどの課題もありました。
そこで山西准教授は、液体中で電圧をかける事で高速発射されるマイクロレベルの気泡の破壊力を利用して細胞を切開し、試薬や遺伝子を注射できる「マイクロバブルインジェクションメス」を2012年に開発。 さらに、構造を改良し、直接皮膚に押し当てるだけで注射技術の修練度に関係なく、痛みを伴わずに試薬を目的の場所に輸送する注射器が今回開発されました。
今回開発された針無し注射器は微細気泡の高速発射で指向性があるので、局部に精度が高い治療が可能です。
穿孔径は4μmとマイクロレベルの穴を開けることができるので、細胞へのダメージも最小限で済みます。
この針無し注射器は、植物細胞を含むあらゆる硬さの細胞へ遺伝子導入・治療が可能なので、幅広い用途に使用できるとされています。
今後は、デバイス構造の最適化、試薬の導入量、痛み、穿孔深度の評価を行い、企業と連携するなどして実用化を目指して行くとの事です。