岩手県沿岸地区の15%で児童の教育相談が必要、親の体制を支える事も必要
2015年01月28日
東日本大震災後の児童のストレス状況を把握するために、岩手県教育委員会が毎年県内の全公立小中高校生を対象に調査を行なっている「こころとからだの健康観察」の2014年度の調査結果を22日発表しました。
教育相談が必要な子供の割合は、沿岸12市町村では13年度の13.7%から14.1%に増加。
沿岸地区では震災発生時に未就学だった低学年児童が教育相談が必要と診断されるケースも目立ち、子供達をケアする対策が緊急に必要です。
教育相談が必要な小学生の割合は、沿岸で15.4%、内陸で11.2%で4.2%差で、13年度の3.5%から拡大しました。 内訳は、内陸は11年度15.4%、12年度13.2%、13年度12.1%、一方、沿岸地区は、11年度18.1%、12年度14.7%、13年度は15.6%で推移していました。
この調査で、内陸では割合が減少している一方、沿岸ではほぼ横ばいとなっている事が分かりました。
震災後に入学した児童の教育相談サポートの割合が沿岸地区で高い理由について、岩手大教育学部・学校臨床心理学の山本将准教授は、「担任がいる小学校とは異なり、未就学児は親の存在が圧倒的で、震災による住環境の変化や、経済事情の悪化で親が大変だと子供も受けるストレスが大きくなる可能性が高くなる」と分析しています。
また、教育相談が必要な新入生が、学校生活を経て改善に向かう傾向を指摘した上で、医療や福祉などの他領域で連携して親を支援する体制を新たに作る必要性を訴えています。