国内3例目の脳死臓器提供、臓器提供者は6歳未満の女児
2015年01月15日
脳死と判定された女児から提供された臓器の移植手術が行なわれ、14日夜までにすべて無事に終了しました。
国内では3例目で、提供者は6歳未満の女児からでした。
脳死と判定された女児は、昨年、突発性拡張型心筋症と診断され、約2週間の短期使用が原則の心臓機能を補う装置をつけて治療を続けながら海外での移植を目指していましたが、血の塊が脳の血管に詰まる心原生脳梗塞を起し、脳死となってしまいました。
長期使用できる補助人工心臓の使用を目指していましたが、国内では承認を得ていないため使えず、やむえず短期使用が原則の装置を使わざるをえませんでした。
装置は、血の塊ができるリスクが高いのですが、国内では別の装置が使えないため、本来の使用期間を超えても使用せざるを得ない状況でした。
摘出手術をした大阪大病院の担当医は会見で、「リスクの高い心臓の機械しかつけられない日本の現状を、一刻も早く改善して欲しい」という女児の両親のコメントを明らかにしました。
金沢西病院副医院長の村上新氏は、「承認をされている人工心臓でも移植までしのげるのは1年程度。海外との承認の差は、臓器提供者の不足とあわせて解消しないといけない問題」と話しています。
また、岡山大学病院の佐野俊二教授は、「現在使える機械は2〜3週間程度。 ドナーが少ない現状では、移植までつなぐ時間を長く取れれば子供が助かる可能性が増える。 子供向け補助人工心臓が一刻も早く認可されて欲しい」と話しています。
提供された臓器は、肺は岡山大病院で10歳未満の女児へ、肝臓も岡山大病院で50代女性へそれぞれ移植されました。 腎臓は、大阪医科大病院の40代女性と、兵庫医科大病院の60代女性へ、それぞれ移植されました。