冬の北日本では約139分の日光浴が健康的な生活に有効です
2014年12月03日
国立環境研究所と東京家政大の研究チームは、健康な生活を送る為に必要な冬の日光浴の推奨時間を、地点ごとに算出するシステムを開発しました。
12月の晴天の午後の場合では、札幌市で139分、茨城県つくば市で41分、那覇市では14分とされており、冬の北日本では特に積極的に日光浴をする事を推奨しています。
太陽の光に含まれる紫外線には、肌の老化などを引き起こす悪影響もあるため、美容の観点から過度に浴びないよう心掛けている人も多いと思います。
ですが紫外線には、骨の成長に必要なビタミンDを皮膚で生成させる効果もあり、適度な日光浴は健康な生活の為にある程度必要です。
今回、研究チームはビタミンDの不足解消に繋げようと、健康面の効果と有害性を比較して、推奨時間を算出しました。
研究チームが算出したシステムでは、まず地上に届く紫外線の量を、大気中のオゾン量などから地点と日時ごとに算出。 寒い冬は顔と両手の甲の皮膚を露出させると仮定して、成人が1日に必要なビタミンD (約15マイクログラム) から食物で摂取する分を除いた10マイクログラムを生成するのに必要な時間と、皮膚に悪影響が出始める時間をそれぞれ算出しました。
その結果、冬の晴天の午後の場合、悪影響が出始めるのは、札幌で227分、つくばで98分、那覇で42分となり、いずれもビタミンD生成に必要な時間の2〜3倍でした。
また、夏はビタミンD生成に必要は時間はぐっと短くなり、7月の晴天の正午の場合では札幌でも8分で必要時間になり、25分で悪影響が出始めますので、夏は念入りに紫外線対策を行なって下さい。
国立環境研究所は、全国5地点について日差しの強さごとの推奨時間をホームページ【http://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/】で公開しています。