他人の抜いた親知らずや切除した軟骨から再生医療製品作り
2015年02月17日
失われた組織や臓器の機能を細胞を培養して移植し回復させる再生医療。 日本国内では患者自身の細胞から再生医療製品を作っていますが、欧米では他人の細胞を使って再生医療製品を作る方式が普及してきています。 他人の細胞を使って製品化すれば、培養を待たずすぐに治療を開始でき、また一人の細胞から多人数用の製品も作れるためコストが安くなるメリットもあります。 その為、経済産業省は、他人の細胞を材料にする製品作りの仕組みを提示し、迅速で安価な再生医療の拡大を目指します。
日本国内でも欧米方式の他人の細胞を使った臨床試験は行なわれてきましたが、「人体の商品化につながる」との懸念から、製品化が進みにくい状況でした。
再生医療製品の世界市場規模は今後、現在の13億円から2030年には1600億円に伸びると経済産業省は試算しています。 国内で細胞を確保出来なければ海外からの輸入に頼ることになるため、企業が細胞を確保しやすい仕組み作りが必要と判断、 そのために経済産業省は、医療機関で抜いた親知らずや、手術で切除した軟骨の細胞などを仲介役の団体や企業を通じて、再生医療製品を作るメーカーが受け取れる仕組みを想定しています。 今後は、16日に有識者会議を開き、スムーズに細胞を採取するための仕組みや、仲介役の役割を議論します。 細胞の採取や検査に必要な費用も検討する予定です。